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結局AI音楽ツールって使えるの? AI音楽ツールに対する意識調査- A survey on the uptake of Music AI Software
Simple Title
Knotts, S., & Collins, N. (2020). A survey on the uptake of Music AI Software. Proceedings of the International Conference on New Interfaces for Musical Expression, 594–600.
Description
AI音楽ツールに対する意識調査を117名に対してオンラインで行った。結論からいうと... AIツールはほとんど使われていない。AIツールに対してポジティブな人も、現状ではなく未来の可能性にひかれている。
Type
Paper
Year
2020
Posted at
June 19, 2021
Tags
music
Overview
- AIの利用をうたった音楽ソフトウェアが増えてきている。また、AIを用いた音楽生成システムを提供するスタートアップも次々に現れている。
- そんな中でAIの音楽ツールは、どのくらい音楽制作に使えるのか? 実際に音楽を作っている人はどう思っているのか? 2019年の10月、 117名の音楽制作に携わる人たちにオンラインんで意識調査を行った。
- 結論からいうと... 商用のAIツールはほとんど使われていない!
Abstract
The recent proliferation of commercial software claiming ground in the field of music AI has provided opportunity to engage with AI in music making without the need to use libraries aimed at those with programming skills. Pre-packaged music AI software has the potential to broaden access to machine learning tools but it is unclear how widely these softwares are used by music technologists or how engagement affects attitudes towards AI in music making. To interrogate these questions we undertook a survey in October 2019, gaining 117 responses. The survey collected statistical information on the use of pre-packaged and self-written music AI software. Respondents reported a range of musical outputs including producing recordings, live performance and generative work across many genres of music making. The survey also gauged general attitudes towards AI in music and provided an open field for general comments. The responses to the survey suggested a forward-looking attitude to music AI with participants often pointing to the future potential of AI tools, rather than present utility. Optimism was partially related to programming skill with those with more experience showing higher skepticism towards the current state and future potential of AI.
Method
- ユーザ調査はオンライン(Google Form)で実施
- 音楽テクノロジー関係のメーリングリストやTwitterなどで募集
- 117名からのレスポンスがあった。
- ソフトウェアで音楽を作っている人、音楽テクノロジーの専門家など。女性は10名だけ。
Results
- 結論からいうと、パッケージ化されたAIツールはほとんど使われていない! Never Used(緑)に注目 → 音楽を作っている人は、他人の作った、曲を丸っと生成するようなパッケージ化されたAIツールには興味を持っていない。
- 比較的使われていたのがMagentaやマスタリング用のAIソフトウェア
- 一方で自分でAIツールを作っている人が一定数いる (アンケートに答えた人の層が偏っている点に注意)
- 「2050年にはAIによってミュージシャンの仕事が奪われている」「AIが音楽の進化を阻害する」「AIが音楽を均一化する」といったコメントに対し、「そうは思わない」という否定的な意見が多い。
- 音楽AIツールに対する反応は年齢や性別などであまり違いが出なかった。ただし、音楽制作の経験年数が長い人ほど否定的な意見が強くなることがわかった。(統計的に優位ではない)
- 人の創造性をコピーするソフトウェアには興味を持っていない人が多い
Further Thoughts
- 「一部のアーティストがAIハイプに便乗(piggyback)して、AI xxxxという作品を出している」「メディアも無責任に持ち上げすぎ」という指摘が... (笑
- 「人の創造性をコピーするソフトウェアには興味を持っていない人が多い」という結論はもっともなこと。一方で「クリエイティブなプロセスの壁打ち相手としてのAIには興味を持っている人が多い」というのは納得。
- 商用のツールでミュージシャンの要求に応えるようなAIツールがまだない、というのは明らか。
- ミュージシャンたちが自分なりの使い方ができる、「誤用」できるようなツールが必要!!!
- 結果は予想通りという感じだけど、こうして定量的に当事者の意見を聞けたのはありがたい。
Links
- Schraffenberger, H. et al. “Investigating People's Attitudes Towards AI with a Smart Photo Booth.” BNAIC/BENELEARN (2019). 「フォトブースでAIに人として認識されないように写真を撮られてください」というタスクを与えた時に、AIを騙せた人ほどAIに対する印象がポジティブになるという実験。AIの限界を知る、間違えをたまには犯すものとしてAIを捉えられるようになると、AIに対する忌避感が軽減されるらしい。