Liu, Qiawen Ella, Marina Dubova, Henry Conklin, Takumi Harada, and Thomas L. Griffiths. 2026. "Serendipity by Design: Evaluating the Impact of Cross-domain Mappings on Human and LLM Creativity." arXiv preprint arXiv:2603.19087.
Serendipity by Design: Evaluating the Impact of Cross-domain Mappings on Human and LLM Creativity
Qiawen Ella Liu, Marina Dubova, Henry Conklin, Takumi Harada, Thomas L. Griffiths
@June 18, 2024 9:30 PM (GMT+2)
Overview
- 遠い分野から着想を得させる『クロスドメイン・マッピング』という工夫が、人間とLLM(大規模言語モデル)の創造性をどう高めるかを比較実験で調べました。
- 人間は遠い分野からの着想で創造性が高まりますが、LLMではその効果が統計的に有意でなく、両者の創造性の増やし方が異なることがわかりました。
創造性を高める工夫が本当に効くのかは、これまであまり厳密に検証されていません。特に、最近のLLMが人間と同じように創造的になるのかは大きな疑問です。この研究は、人間とLLMの両方に同じ工夫を試して、創造性の仕組みの違いを浮き彫りにしています。
Abstract
Are large language models (LLMs) creative in the same way humans are, and can the same interventions increase creativity in both? We evaluate a promising but largely untested intervention for creativity: forcing creators to draw an analogy from a random, remote source domain (''cross-domain mapping''). Human participants and LLMs generated novel features for ten daily products (e.g., backpack, TV) under two prompts: (i) cross-domain mapping, which required translating a property from a randomly assigned source (e.g., octopus, cactus, GPS), and (ii) user-need, which required proposing innovations targeting unmet user needs. We show that humans reliably benefit from randomly assigned cross-domain mappings, while LLMs, on average, generate more original ideas than humans and do not show a statistically significant effect of cross-domain mappings. However, in both systems, the impact of cross-domain mapping increases when the inspiration source becomes more semantically distant from the target. Our results highlight both the role of remote association in creative ideation and systematic differences in how humans and LLMs respond to the same intervention for creativity.
Motivation
- クロスドメイン・マッピング(つまり、全く関係ない分野から無理やり着想を引き出させること)が創造性を高めるという考え方は魅力的ですが、本当に効くのか実証的に確かめられていませんでした。
- LLMは人間より元々創造的なアイデアを出すことが知られていますが、人間と同じやり方で創造性がさらに高まるのかは未知数でした。
- 人間とAIの創造プロセスがどこで同じで、どこで違うのかを理解したいという根本的な問いです。
Method
バックパックやテレビといった日用品を改善するアイデアを出す課題を、人間の参加者とLLMに与えました。『無作為に選んだ全く違う分野から着想を得る』という指示と、『ユーザーの不満を解決する』という指示の2つの条件を比べて、どちらがより創造的なアイデアを生み出すかを測定しました。
- 10種類の日用品それぞれについて、人間の参加者とLLMに新しい機能や改善案を提案させました。タコやサボテン、GPSなどの無作為に選ばれたモノから着想を得るよう強制される条件と、ユーザーのニーズを満たす条件を比較しました。
- 生成されたアイデアの『新規性(オリジナリティ)』と『有用性』を、複数の評価者が独立して採点して測定しました。
- クロスドメイン・マッピング条件とユーザーニーズ条件で、アイデアの質にどんな差が出たのかを統計的に分析しました。
Results
人間はクロスドメイン・マッピングによってアイデアの創造性が確実に高まりますが、LLMではこの効果が検出されず、両者の創造メカニズムが大きく異なることが判明しました。
- 人間の参加者は、遠い分野からの着想を強制されると、より新規性の高いアイデアを生み出す傾向が統計的に有意でした。
- LLMは平均的には人間よりも独創的で新規性の高いアイデアを最初から出していましたが、クロスドメイン・マッピング条件でさらに高まるという有意な効果は観測されませんでした。
- ただし、人間とLLM双方において、『相手の分野がターゲットから遠い』ほどクロスドメイン・マッピングの効果が大きくなるという共通パターンが見られました。
Further Thoughts
- AIライティング支援ツールやデザインツールの設計者は、人間とLLMで同じプロンプト工夫が同じように効くとは限らないことを認識する必要があります。人間とAIの創造性を引き出す方法は別々に最適化すべきです。
- 創造的な仕事の現場で人間とLLMを組み合わせるとき、単に同じ指示を与えるだけでは十分でなく、それぞれの特性に合わせた使い分けが重要になります。
- この研究は創造性のメカニズムの違いを示唆していますが、なぜLLMはクロスドメイン・マッピングの恩恵を受けないのかはまだ謎です。今後、その理由を深掘りすることで、より効果的な創造支援方法が見つかる可能性があります。